こんちには!広報&ギア製作担当に昇進したヒロです!
今日はオイル(油)について説明致します。
あなたもは戸の開け閉めの時にヒンジ部分から、「キーキー音」がなった経験はないでしょうか?または自転車のベルトの回転が悪くて「ガチャガチャ」と音が鳴った経験はないでしょうか?
そんな時は大抵、油切れが起きています。(そんな時は私は愛用のクレ556を塗って一発で治します。笑)
エンジンオイルやATフルード(オートマチックトランスミッションのオイル)も、基本は同じです。オイルが切れてくると、異音、回転抵抗が増える、そして最後は壊れてしまいます。
この様に、基本的に金属とオイル(油)は切っても切れない関係があります。
何故、金属から音がするのか?
車の部品も勿論ですが、金属部品の表面は「研磨」→「研き」が加えられています。そうすると金属表面は見た目は綺麗なツルツルの面に見えます。しかし、顕微鏡レベルで見てみると割と凸凹しています。
この凸凹が別の金属部品とぶつかると音がします。これが金属特有のキーキー音の原因になります。
オイルはこの凹凸を油膜で保護してくれるので、油が切れている部分にオイルを吹き掛けると、金属-油膜-金属となり、直接金属同士がぶつからなくなり、音が出なくなる(金属同士が直接ぶつからなくなる)という訳です。
では、このオイルの特徴と働きについて説明します。
摩擦抵抗が減る
まずは食用油を思いだして下さい。触るとぬるぬるしていると思います。油が付いた手で何かを掴もうとしても、滑って上手く掴めないと思います。これが、オイルが摩擦抵抗を減らす働きです。
「粘り気」がある
これも食用油を思い浮かべると分かると思います。触るとネバネバ、ドロドロしていると思います。水の様に手を振っても取れないですし、キッチンペーパーでふき取っても粘つきは取れにくいと思います。この働き(分子同士が剥がれにくい性質)が高回転になっても遠心力で降りきれない性質になります。
「粘り」を調製出来る
これは単純に油同士だと混ぜられる(ブレンド出来る)性質があるという事です。粘る性質が強い物から弱い物まで、配合割合を変化させれば粘り気もある程度調製できます。サラダ油とゴマ油は油同士なので混ぜられますよね?エンジンオイルも同様です。実は単純で、油の種類(正確には分子の形や長さ)によって、その性質を調整する事が出来ます。
ちなみにですが、エンジンオイルの 0w-30とか、 20w-40とかはエンジンオイルの粘り気(固さ)を数字の大きさで表現しています。(大きい程固い)
ハイブリッドカーは粘り気があると内部の抵抗が増えるので低い数字のエンジンオイルが推奨されています。逆にターボなどのスポーツ走行を想定する車は高回転、高トルクを想定しているので、部品同士を保護する目的で固めのオイルが推奨されています。
高温にも耐えられる
天ぷら油がまさに高温ですよね?170~190度で一日中天ぷらを作れます。水は100度で沸騰するのでその差は別格です。(ちなみに、天ぷら油は300度前後で発火するので、火事には気を付けましょう)
食用油でその性能ですから、工業製品用のオイルはもっと耐熱性があります。
劣化しにくい
天ぷら油だと一日でダメになるじゃん!という声が聞こえてきそうですが…。汗
実はこのダメになる原因を分子レベルで見ると、酸化されているからなんです。金属が酸化されると表面がボロボロになります。これが油でも起きていて、油の分子に酸素分子がくっ付いて、分子の形を変えてしまうんですよね。これが結果的に粘りけを悪くさせる原因です。
工業製品であれば強力な酸化防止剤を入れられるので、エンジンオイルはターボで約半年、ノンターボで約1年のサイクルで交換と言われています。(アウディ―のターボだと2年で交換と言われるています。期間の違いは指定オイルの酸化の割合だと思いますが、詳しい方いたら教えて下さい!)
金属を腐食しない。
もしオイルに付けると金属が錆びてしまう場合、エンジンオイルは使い物になりません。しかしオイルは中性の有機物なので金属を酸化させる作用はありません。(酸化させる分子構造は持っていません。)そもそも、金属が錆びる(腐食する)原因は酸素(酸化)です。主に空気中の酸素が原因なので、油膜で保護してあげれば、金属表面が直接酸素と触れる事は無くなります。
金属が錆びる前に油膜が錆びる構造なので、金属を守る事が出来るという訳です。
金属表面の保護作用
いくら硬い金属で、表面を綺麗に磨いていても金属同士が何千万回と擦れると金属の分子レベルでは削れてきます。
金属同士の間に油が入れば、直接ぶつかって、削れる可能性が低くなると部品の寿命を伸ばす事が出来ます。
以上、オイルの働きを説明してきましたが、どんなオイルでも必ず劣化します。劣化すれば本来の働きをする事ができず、金属同士の摩擦の増加や劣化したオイル自体が抵抗となってしまい、正常な働きが出来なくなってしまいます。
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